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今日の電気新聞記事はこちら。

次期エネ基本計画、再エネの30年目標達成へ/エネ庁見通し、費用面の課題鮮明(2021年3月2日1面)

経済産業省・資源エネルギー庁は1日の有識者会合で、次期エネルギー基本計画のエネルギーミックス(2030年時点の電源構成)を巡り、再生可能エネルギーの位置付けに関する議論に着手した。事務局は既存導入量とFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)認定量から、現行の30年度22~24%の目標は達成できるとの見通しを示した。一方、買い取り総額は当初想定から2千億~4千億円増の3兆9千億~4兆4千億円と予測し、コストの課題を鮮明にした。

本記事の委員会、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会はこちら。委員会資料はこちらに公開されています。

次期エネルギー基本計画のエネルギーミックスに関する議論です。委員会資料110ページと膨大ですが、大半が過去の委員会議論資料の再掲になっているようです。

次期エネルギー基本計画に関する議論の状況

次期エネルギー基本計画に関する議論は総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において昨年10月から既に6回行っているとのこと。

<基本政策分科会におけるこれまでの御議論>
令和2年
第1回 10月13日 エネルギー基本計画の見直しに向けて
第2回 11月17日 2050年CNの実現に向けた検討①(今後の検討の枠組み、再エネの現状と課題)
第3回 12月14日 再エネの将来像に関する関係団体からのヒアリング
第4回 12月21日 2050年CNの実現に向けた検討②(再エネ以外の電力部門の検討、電力部門の課題整理)
令和3年
第5回 1月27日 2050年CNの実現に向けた検討③(非電力部門の検討、シナリオ分析)
第6回 2月24日 2050、2030年のエネルギー政策に関する関係団体からのヒアリング

第6回の「2050、2030年のエネルギー政策に関する関係団体からのヒアリング」は前回の記事でも触れました。原子力の扱いがどうなるか?という論点でまとめてみました。是非読んでみてください。

カーボンニュートラルへの方向性

本委員会では、「再生可能エネルギー」に焦点をあてて議論しています。

こちらのスライドは第2回の再掲ですが、カーボンニュートラルに向けた方向性を示しています。

CO2発生には電力と非電力があり、それぞれ脱炭素化への対応が必要になります。まず、電力の脱炭素化は、再エネ、原子力、火力+CCUSで目指します。非電力というのは主にご家庭で使用している都市ガスや、自動車に使っているガソリンのイメージです。これら非電力に対しては、「電化」をしていく方向です。例えばご家庭は「オール電化」、自動車は「EV化」ということですね。また「水素化」という方向もあります。自動車でいうと燃料電池車ですね。

「水素」については以前の記事議論をしましたので、関心ある方はご覧ください。

「電化」は送電インフラがあるため、末端の自動車や家庭を電化すればよいので短中期的に進んでいきますが、「水素化」は末端の燃料電池車などと同時に水素ネットワークという社会的なインフラ投資が必要になるので長期的なスパンで動いていくでしょう。

あと、CCUSですが、これは火力発電から出たCO2を回収して海中に埋めたり、化学産業でCO2を再利用したりするものです。2050年にはどうにかなっているのかもしれませんが、正直国内においてコスト的に現実的な技術ではないと思います。

最後の神頼みとして、植林とDACCSがあります。植林すれば空気中のCO2を固定することができます。DACCSは空気中のCO2を回収して、固形化する技術です。植林はまだしもDACCSは固形化するためにもエネルギーがいるわけで可能性はコストを含めてまだ未知数です。

2050年再生可能エネルギー比率、原子力比率

さて、以前の記事でも書きましたが、今後シナリオ分析をやるということです。

実はどういうエネルギーミックスでシナリオ分析をやるか委員から意見が出ています。

◎100%も可能だという提案もあったわけなので、それに従った数値も検討して欲しい。
→例 再エネ100%、水素・アンモニア0%、CCUS+化石火力0%、原子力0%
◎原子力は最低、今のエネルギーミックスの20~22%を維持すべきではないか。
→例 再エネ60%、水素・アンモニア10%、CCUS+化石火力10%、原子力20%
◎水素やCCUS付火力の選択肢も幅広く考えるべき。
→例 再エネ60%、水素・アンモニア20%、CCUS+化石火力10%、原子力10%
再エネ60%、水素・アンモニア10%、CCUS+化石火力20%、原子力10%

この例と書いてあるのが、シナリオになりそうですね。ということは、よっぽど計算結果がシビアなことにならない限り、原子力は2050年10%から20%の間で結果がでるということでしょう。また再エネは最低でも60%(最大100%)ということになりそうです。

現行のエネルギーミックスでは2030年は再エネが22~24%ですので、2050年にはその3倍を目指すということになるかもしれません。

再エネ増加か国民から叩かれるかジレンマにある政府

なお、電気新聞にも書いていましたが、現行のエネルギーミックスの再エネ2030年22~24%は既に認定されている再エネ発電所が稼働(運転開始)しただけで達成できる見込みです。

あと10年間全く再エネ発電所の新たな導入がなくても現行のエネルギーミックスは既に達成しているということです。そんなことはないので、2030年の再エネ比率は実際はもっと増えるのではないかと思います。

もっとも今後も再エネがたくさん導入されるということは、それだけ再エネ賦課金が増えて我々の電気料金が高くなる(現在再エネ賦課金は2.98円/kWhで、我々は電気料金の1割強を再エネのために払っています)ということです。政府としては再エネを増やさないといけないけど、国民から賦課金で叩かれるのも痛いというジレンマを抱えているということですね。

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