WHOがパンデミック宣言しない本当の理由?

どうもScivanです。

以前の記事でも書きましたが、WHOは2月28日に新型コロナウイルスのリスク評価のRegional Level、Global LevelともにVery High(大変高い)と引き上げました。にも拘わらず、いまだ「パンデミック」の段階ではないと否定をしています。

なお、新型コロナウイルスはそのあとも多くの国での感染者がでており、現在、中国を含めて94の国、地域に拡大しています。世界の国の数は196か国なので、既に全世界の半分程度の国で感染者が出ている計算になります。

WHO Coronavirus disease
outbreak Situation Report
7 March 2020

パンデミックの定義

そもそも「パンデミック」とは何でしょうか?WHOでは、感染病の拡大に関してフェーズを以下の6段階で示しています。簡単に説明すると、以下のとおりです。

フェーズ1:動物から人への感染が認められていない段階

フェーズ2:動物から人への感染が認められた段階

フェーズ3:動物から人への感染があり、小さい感染が認められた段階(ただし、人から人への感染はない段階)

フェーズ4:人から人への感染があり、コミュニティーレベルでの感染者の継続的発生が認められた段階

フェーズ5:フェーズ4の状況が、WHO の一つのエリアの中の2か国以上での発生が認められた段階

フェーズ6:フェーズ5に加えて、WHOのほかのエリアの中の1か国以上での発生が認められた段階

パンデミックはどこの段階でしょうか。WHOのQ&Aには、パンデミック=フェーズ6であるとの回答がされています。現状の状況はフェーズ6であり、既にパンデミックになっていると考えられます。

まず、中国での人から人への感染があり、感染者が大きくでてきた時点で、フェーズ4であり、その後、WHOの一つのエリアである、Western Pacific Regionでは韓国、日本での発生があり、さらに他のエリアであるイタリアやイランなどでも大型の発生が相ついでいます。この状況は既にWHOが定義するフェーズ6=パンデミックであるといってよいでしょう。

なお、過去ではWHOは、2009年6月にH1N1ブタインフルエンザによるパンデミックを宣言しました。このインフルエンザは、70か国以上の国に拡大しています。

では、なぜWHOは新型コロナウイルスについて、「パンデミック」と宣言することをしないのか。一つには、WHOが一旦宣言してしまうと、国際的なパニックが発生してしまうことが考えられます。そうはいっても、2009年のH1N1ブタインフルエンザの際はできたのになぜ今回はしない?ということになります。

新しい金融商品開発後の初めてのパンデミック

ここからは「仮説」の段階で、確たる証拠はないことをご了承の上、読んでください。

Twitterでもつぶやきましたが、世界銀行は、2017年にパンデミックに備える史上初の「感染症債」という金融商品を発行しています。

これは、投資家からお金を集め、将来の一定期間もしパンデミックが起これば、そのお金は(途上国資金に使用されて)満額償還しないけども、パンデミックが起こらなければ、金利をつけて満額償還しましょうといったものです。

具体的には、世界銀行の感染症債は、Aトランシュ(2億2,500万米ドル)とBトランシュ(9,500万米ドル)の2種類があり、ともに2017年7月7に発行し、2020年7月15日に償還予定日となっています。すなわち2020年7月15日までにパンデミックがなければ、投資家は得をし、それまでにパンデミックがあれば投資家は損をするということですね。

ちなみに投資家とはどのような人たちなのか。以下に掲載しましたが、欧州が多く、Aトランシュは大最大債権投資を専門とする投資家、Bトランシュは年金基金が多いようです。もちろん投資家からすると「お金」が全てですので、これらの投資家がWHOがパンデミック宣言することに対して、なんらかの圧力(または交渉)をしている可能性があるでしょう。これがWHOがパンデミック宣言の判断を決めかねている一つの理由かもしれません。

もし今後、WHOが感染症債の償還が終わった7月16日以降にパンデミック宣言をした!とかになると、それはそれで、これら投資家への圧力に屈したとみなされても仕方ありませんが、そうではなく、WHOが客観的かつ公正な判断でしかるべきタイミングでパンデミック宣言をすることを祈りたいものです。

なお、こういう金融商品自体を否定するつもりは全くありません。新しい仕組みであり、実際これがうまく運用できれば、その資金はパンデミック時に、途上国などへの感染リスクの低減のために使われるのです。

それでは!