新型コロナウィルス、日本政府の対策の裏を読む

本日も新型コロナウィルスの話題です。

新型コロナウィルスは、想定外に厄介なウィルスということでしょうが、政府ではいろいろなことが後手後手に回るとともに手に負えていない印象です。

新型コロナウィルスの一番厄介なのは、無症状の感染者が一定数存在するということです。このため完全な水際対策不可能ということですし、さらに国内に入ってきた無症状の感染者が、知らない間に他の人に感染させる可能性も指摘されています。

無症状感染者はどの程度いるのでしょうか?下記は国内の感染者の状況推移を示したグラフです。2月21日時点の感染者93名(クルーズ船除く)のうち、14名(15%)が無症状ということです。

今後いろいろなところで感染した人に無症状の人が多く出てくるでしょう。無症状の人は当然、病院にもいきませんし、普段通り生活しているため、しらずしらずのうちに感染者を増やしているということになります。

国内でも熱や呼吸器症状がある人は外出を控えるようになどの声掛けはされていますが、これら無症状感染者への対策を考えると、極論一律外出禁止、外食禁止、イベント禁止などの対応しかなくなります。

新型コロナウィルス国内感染者状況推移

このような厄介なウィルスへの政府の対応はどうなっているのか。今見えている部分で記載してみます。

まず、2月23日の内閣官房 新型コロナウイルス感染症対策本部での資料の抜粋が以下です。現在は国内侵入防止フェーズが終わり、感染拡大防止フェーズに入ったという認識をしているということです。

このフェーズでは①医療対応の体制強化と②患者の増加のスピードを抑えること(集団発生を防ぎ感染の拡大を抑制)が目的とされています。

新型コロナウィルス対策の目的(基本的な考え方)

それでは今現在具体的にどのようなことをしているのでしょうか。厚生労働省の2月23日時点版新型コロナウイルスに関するQ&A(発生状況や行政の対策)に関連する記載があったので紹介します。

まず①医療対応の体制強化に対応する回答です。

問8 今後の新型コロナウイルス感染症の患者の増加を想定した場合に、現在整備されている感染症病床で足りますか?

感染症病床は、平成31年4月時点で1,800床以上を整備しています。また、専門家会議での見解を踏まえ、今後、特に受け入れが急務となる患者が発生した場合に備えて、2月18日に都道府県を通じて、特定、第一種及び第二種感染指定医療機関で、新型コロナウイルス感染症以外の新規入院を制限し、病床を確保するなどのお願いをしています。

病床確保のお願いをしている。と、なんとも頼りなさそうな回答になっています。このあいだのtwitterをみていたら、以下のようなひどい病院もあるとのことで、今後の医療対応本当に大丈夫かと疑心暗鬼になってしまいます。

「私は大阪のある病院の職員です。

職場のそこそこの規模の病院ですが、今現在コロナウイルス疑いの患者さんが数名入院されています。しかし、コロナ陽性→病院閉鎖→数億円の損害…となるのを恐れてかコロナ検査はしないとの方針でした。

患者さんや職員を守るでもなく、病院の保身を優先しています。」

次に、②患者の増加のスピードを抑えること(集団発生を防ぎ感染の拡大を抑制)に対応する回答です。

問4 国内でも感染者が出ていますが、感染拡大対策はどのようなことを行っていますか?

厚生労働省では、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(「感染症法」)」に基づき、新型コロナウイルスの感染者などに対する入院措置や、それに伴う医療費は原則として公費負担となる指定感染症に指定しています。感染の拡大を防ぐための施策や罹患者の受け入れ体制の強化などを行っています。

正直、感染拡大対策の回答になっていないです。。感染症法という法律に基づいて可能なものはやっているけど、本質的な感染拡大対策はしていない(できない)というように読めます。

そこで、最後に、誰もそんなこと聞いていないのに、こんな質問が書いてあるのです。

問6新型インフルエンザ特措法などの強権的な法律の活用や特措法の立法を行うべきではないですか?

新型インフルエンザ特措法は、土地の強制使用や物資の強制収容などが可能とされています。今回の新型コロナウイルス感染症に対して同様の措置を取るかについては、人権制約の大きさ、今後の急速なまん延のおそれや重篤症例の発生頻度などを考慮し、判断していく必要があると考えています。

新型インフルエンザ特措法という最終手段があるというのです。この手段を使うには、内閣総理大臣が「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行うことが必要で、以下が可能となるようです。

・都道府県知事は住民に対し外出の自粛を要請できる
・1,000平方メートルを超える体育館や映画館、劇場などの使用制限を要請することができる
・臨時の医療施設を開設するため、土地や建物を強制使用することが可能となる
・都道府県知事等は、新型インフルエンザ等の対応に必要な物資の売り渡しを業者に要請することができ、不当に応じない場合は収用することが可能となる

どこまで動向分析をしているのか正直不安ですが、まだ、内閣総理大臣として、この緊急事態宣言を出す状態ではない(または人権制約への圧力等なんらかの事情がある?)という判断ということのようです。

ただ、今後事態が進めば、後手後手で、わざわざ厚生労働省がQ&Aで教えてくれている緊急事態宣言が出る可能性は否定できないと思います。特に前半で書いたように、無症状感染者の影響が大きくなっていけば、もはやこの対応しかないのです。

もしこうなった場合、自宅から外出できないなど、混乱が生じるでしょうから、念のため、ある程度水、保存食料、トイレットペーパーなど今の段階で確保しておいてほうがよいと思います。